すみだ北斎美術館「北斎 百鬼見参」展に行ってきました。

今回は縁あってすみだ北斎美術館の企画展「北斎 百鬼見参」を観に来ました。
因みに私は浮世絵は今年から勉強し始めたばかりで全くの初学者です。

例により午後仕事を早めに終えて、JR線で両国駅に向かいます。
(因みに仕事はもちろんきっちりこなしています。今日は早朝時差出勤です。)

両国駅から東へ歩くこと10分足らず、総武線の線路の北側に接して、現代的な意匠の特徴的な建物です。開館は2016年と新しいですね。


今回の企画展のパンフレットです。


北斎の「鬼」とは意外なイメージですね。私もずっと北斎といえば富嶽三十六景だとばかり思っていましたが、浮世絵について勉強するうちに、実は北斎の画業の幅はものすごく広かったということを知りました。例えば版画の画題は花鳥、諸国の橋や滝、百人一首などに及んでいます。また浮世絵といえば錦絵、と思っていましたが、全然それだけじゃないんですね。

今回の「鬼」というテーマだけでもあれほどの多くのモチーフを、錦絵、肉筆画、挿画、手引書など実に幅広い形で作品にしていることを目の当たりにして、とにかく驚くばかりです。

本日の展示から印象的だった三点。

釈迦御一代記図会 三 八面九足の霊鬼悉達太子を試して四句の偈を授る図 葛飾北斎 大本
釈迦の一生を描いた読本の挿画。
鬼の具体的なイメージが実に鮮明に描き込まれています。その想像力と筆力、いずれもすごいですね。

摂州大物浦平家怨霊顕る図 葛飾北為 大判三枚続
やはり錦絵を一点。これは門人の葛飾北為の作ですが、とても印象的でした。
兄の源頼朝から謀反を疑われ、摂津大物浦から西国に落ちようと船を出す源義経主従。
嵐の闇を貫く雷光と、平知盛及びその郎党の怨霊の鬼気迫る姿が実に印象的です。
関西ご出身の方はお判りかと思いますが、大物は「だいもつ」ですね。

道成寺図 葛飾北斎 (本日の展示は高精細複製画、原画は紙本着色一幅)
主任学芸員の方の一押しです。
原画は今回の展示に向けて大がかりな修復を行ったとのこと。また能の場面を描いた北斎の肉筆画は他に例がないそうです。
鬼女の面の描写が妖しい迫力を持って迫ってきます。
鬼の絵で赤と白が基調というのも実に鮮やかです。


今回も北斎の驚くべき博識、想像力、そして筆力を改めて実感し、とても感銘を受けました。
またぜひ見に来たいと思います。

美術館前から。スカイツリーが近くて大きいです。



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