ミュシャ美術館(プラハ)に行ってきました。
出張でチェコ共和国、プラハに来ました。
本当に美しい都です。カレル橋、ヴルタヴァ川、プラハ城、旧市街広場、天文時計、シナゴーグ…。
写真はカレル橋からプラハ城、聖ヴィート大聖堂です。
さてチェコの国民画家といえばやはりミュシャ。
という訳で空き時間にミュシャ美術館に行ってまいりました。
注)なおMuchaの本来のチェコ語での発音はムハとのことですが、本稿では日本で一般的なフランス語の発音に従いミュシャと表記いたします。
ミュシャ美術館はプラハの目抜き通り、ヴァーツラフ広場から一本入った静かな通りに面したビルの一階にあります。
1フロアのみ、小さな美術館ですが、お客さんはひっきりなしに訪れています。
チェコから花の都パリに出てきたものの、地味な仕事をこなしていたミュシャの作品が初めて多くの人々の目に触れた、いわばデビュー作ですが、のっけからのその完成度には驚くばかりです。
描かれた当時の大女優、サラ・ベルナールの気品のある姿、縦長の版型がもたらす伸びやかさと緊張感の絶妙なバランス、華やかなアール・ヌーヴォー様式の装飾…。
なお、残念ながら写真ではやや黒ずんでいますが、実際の作品はもう少し明るいです。しかし図版などで見るような鮮やかなオレンジ色という訳にはもはや…。100年以上の時の流れですね。
それでも実物を間近に観ることができて大満足です。
Medee 1898年 リトグラフ
Gismondaのすぐ左隣に展示されています。ギリシャ神話の著名な登場人物、日本では通常メディアと呼びならわされていますね。
その強烈な視線、わが子を殺めた王女メディアの狂気がまざまざと迫るようです。
予め図版では観ていたものの、その迫力はやはり実際の作品ならではです。
ステンドグラス 聖ヴィート大聖堂
本作品はミュシャ美術館の展示ではなくて、プラハの象徴、プラハ城の一角にある聖ヴィート大聖堂のステンドグラスのひとつ、ミュシャの手によるものです。チェコに縁のある聖者が数多く描かれています。
ちなみにこの聖ヴィート大聖堂、元々はゴシック様式ではなかったとのことですが、中に入ると典型的な見事なゴシック大聖堂ですね。その驚くべき天井の高さ、垂直性、それを支える交差リブ・ヴォールト(及び外構の飛梁)、飾り窓・メダイヨン及びそれらを彩るステンドグラス…。これらが織りなす非日常性、聖性は格別ですね。訪問した時は午後やや遅めの時間で、それ故に西正面ファサード上部の大メダイヨンのステンドグラスの美しさは見事でした(写真だと分かりにくいのが残念です…)。
ミュシャのステンドグラスももちろん良かったけど、久しぶりに本格的なゴシック大聖堂を訪問できて大満足です。
プラハは素晴らしい都でした。
あえていえばお料理、ビール、ワインも素晴らしかった。
また訪れたいです。
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