戸栗美術館「鍋島焼 ー200年の軌跡ー」展に行ってきました。

Blog最初の訪問先は、かつて何度も通い個人的に大変思い入れのある、戸栗美術館です。

仕事の合間を縫ってフレックスタイムで会社を早めに退社し、銀座線で渋谷に向かいます。
喧騒の渋谷駅前から十数分歩くと、静かな松濤の一角に栗色の建物が見えてきます。
またやって来ました。本当に久しぶりです。変わらない佇まいに安心します。






平日遅めの午後ということもあり、今日も静かです。お客さんは私の他に3人だけでした。

今回の展示から、私のお気に入りです。

銹釉青磁染付 桜幔幕文 七寸皿
銹釉、青磁、染付の対照が独特の趣を醸し出しています。
銹釉、青磁いずれもよい仕上がり。気品のある桜も見事です。
器形の浅さ、銹釉から前期の鍋島とされています。浅さはやはり来て見なければ、図版ではわかりにくいですね。
2客伝世品で、同じ図柄のものが並んで展示されています。細部が微妙に異なっています。

色絵 椿柴垣文 七寸皿
繊細な柴垣の表現が素晴らしい。
やはり気品のある赤絵の椿が映えています。
余白の使い方も円熟を感じさせます。
上記の桜幔幕文七寸皿に比べて器形に厚みがあり、高台は櫛目文の、典型的な盛期の色鍋島ですね。

染付 宝尽文 尺皿
様々な濃淡を用いて描かれた連なる宝の表現が秀逸です。
私の好きなモチーフ、青海波も実に丹念な仕事で正確に仕上げられています。
何と言ってもこれだけの大きな品(尺皿)をこのクオリティでしっかり端正に焼き上げているという点がやはり素晴らしいです。
(*追記)


久しぶりに鍋島の世界を堪能して大変満足しました。
次に鍋島の企画展が開催されたら、またぜひ見に来ようと思います。



*追記
私が所有している解説書によれば、これと同じ図柄の色絵の尺皿をスイスのバウアー・コレクションが所蔵している、とあります。
スイス、ジュネーブにあるバウアー財団東洋美術館の日本の展示の紹介ページを見ると、確かに写真が載っています!
こちらもいつか見に行きたいものです。

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