三井記念美術館「茶の湯の陶磁器 ~"景色"を愛でる~」展に行ってきました。
この企画展は随分前から1日も早く見に行きたいと期待していました。
先週の繁忙から一転して仕事にゆとりのできた今週、フレックスタイムで会社を早退して銀座線で三越前駅に向かいます。
駅の直上に聳え立つ三井タワー、三井記念美術館は7階です。
ちなみに三菱グループの収蔵美術品も都心の美術館で展示することになりましたが、三井はその先駆けでしたね。
1階から専用のエレベーターで7階に上がります。重厚な雰囲気に期待が高まります。
本日の展示から。
いずれも超の付く逸品かと思います。
やはり本日一番の期待はこの品です。
また見に来ました。
アシンメトリックで伸びやかな、しかし堅牢かつ屹然とした造形。
強い赤、でもうるさくないし、あざとくないですね。
渋い鉄釉で描かれた絵、それが作り手が意図したものかどうかはわかりませんが絶妙の歌銘を与えられ、そしてそれを最小限の具象と見るならば、それは見る者に思考を解き放て、と語りかけているように感じます。
初めての絵の描ける白い焼き物にあの時代のみが託し得た躍動感を見るように感じます。
かつて新井薬師前の三井文庫でこの茶碗を初めて見た時、大きな衝撃を受けました。
初めて間近で真剣に見た楽茶碗がこの品でした。
これは一体何なのか。もちろんその時は全く消化しきれませんでした。
あれから随分時間が経ちました。
今なら少しは判るようになったと思いたいものです。
深遠さ、幽玄さ、そして見ているとまるで茶碗からお前は何者かと問いかけられているように感じます。
高台からの立ち上がりの造形が神秘的なくらいに絶妙と感じます。
居並ぶ楽茶碗の中でも、左入も良いなと思いましたが、やはりこの品が抜きんでているように思います。
やはり日本の焼き物が一番好きなのですが、それでも井戸、粉引といった朝鮮の茶碗にも強烈に惹かれるものがあるのは間違いありません。
一井戸とはよく言ったものだと思います。今日の第一展示室には井戸茶碗の名品もありましたが、この部屋で一番気に入ったのはこの品です。
用に徹するようなシンプルな器形と白い釉膚、広がる景色。大きさが器に力をもたらしているように感じます。
けれん味のなさのひとつの究極の姿のように感じます。
これら以外にも多くの逸品名品が目白押しでした。
痺れました。
次の展覧会の機会にもまたぜひ見に来ようと思いました。
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