国立西洋美術館「自然と人のダイアローグ」展に行ってきました。

国立西洋美術館リニューアルオープン記念「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」展を観に来ました。

数多くの美術館、博物館などが集まる上野でも、国立西洋美術館はJR上野駅公園口からすぐのロケーション、いつ来ても便利ですね。


今回の企画展のポスター。残念ながら今日は時間の関係で企画展のみ観ます。


本企画展は同美術館のHPによれば、国立西洋美術館リニューアルオープン記念として、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の協力を得て、急速な近代化が進んだ19世紀から20世紀にかけて、芸術家たちが新たな知識とまなざしをもって自然と向き合い生み出していった近代の芸術の展開をたどる展覧会、とのことです。
なお両美術館とも、19世紀後半から20世紀前半を生きた収集家(日本はもちろん松方幸次郎)の個人コレクションをもとに設立されたと解説されています。


今回の展示から印象に残った作品です。本展は多くの作品で撮影が可能になっていました。

「夕日の前に立つ女性」
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 1918年頃 油彩、カンヴァス フォルクヴァング美術館


今回の企画展の目玉のひとつがドイツ・ロマン主義の旗手、フリードリヒですね。
絵の横に掲示された解説では、自然が秘める無限の力とこれを前にした人間の感動が伝わります、とされています。
後ろ向きの人物像と背景に広がる風景はフリードリヒの絵によく見られる構図ですね。私が保有している解説書によれば、本作品が製作された1918年はフリードリヒが結婚した年で、それ以降妻をモデルにした若い女性の後姿が頻繁に登場するようになったとされています。
フリードリヒの作品はこれひとつですが、この絵が企画展全体に大きなインパクトを与えているように感じました。

「陽を浴びるポプラ並木」
クロード・モネ 1891年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館 松方コレクション



ジヴェルニーの家の近く、エプト川の岸で夏の日差しを浴びるポプラ並木、そして手前の水面に映り反射した景色が明るく実に鮮やかな色彩で描かれています。
多くのモネの作品が展示されており、最後の展示室に鎮座する「睡蓮」はもちろん素晴らしかったですし、他もいずれも印象的で感銘深かったのですが、個人的な好みは実際の風景と手前の水に映り実景と対をなす景色の組み合わせ。
これはかつて中学校か高校か忘れましたが美術の教科書に載っていたモネの絵「アルジャントゥイユのヨット・レース」の図版を見て、川に浮かぶヨットと水面に反射するヨットの鮮やかな表現力に強い印象を受けて以来、とても好きな構図です。
今回の企画展では、パリからセーヌ川を10kmほど下ったところにあるというこの町の冬景色を描いたモネの「雪のアルジャントゥイユ」も展示されていました。

「刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)」
フィンセント・ファン・ゴッホ 1889年 油彩、カンヴァス フォルクヴァング美術館


本作品は初来日とのことです。
波打つ黄金色の麦、うねるような空、太陽、そして刈り取る人、いずれもゴッホならではの表現。
絵の横に掲示された解説によれば、ゴッホにとって<刈り取り>は生の終わり、死を象徴するが、しかしそれは明るい光のなかにある、とされています。
ゴッホの絵はやはり観るたびに強い印象、感銘を受けます。


これ以外にも多くの素晴らしい絵を観ることができました。今日も来て良かった。大変満足しました。
良い絵を見続けることが大事だと改めて実感しました。

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